自然科学への感動の記憶
私が自然科学について、覚えている最初の感動は、
中学生の頃、塾の先生の言葉でした。
「大学に行ったらな、今学んでいる化学は物理に変わるからな。
生物は化学になる。物理は数学になるんだ。
じゃあ、数学は何になると思う?それは、哲学に変わるんだ。」
数学は哲学に変わる。この世界を、簡単な美しい数式で表す哲学なんだ。
当時、私は数学が大好きで、でも実は、学校の数学の授業を
一度も受けたことがありません。それは、担当の先生に、
「どこまでやったんだ?お前は授業を聞かなくていい。
いいから先に進んでいろ。」
と先生は言って、おかげで私は好きに勉強させてもらいました。
もちろん数学の勉強です。
事実、大学では、本当に、生物(と中学でカテゴリー化されていた内容)は
化学に変わりました。生き物の体内で起こることは、化学物質の反応です。
呼吸で吸った酸素がどう働くのか?食べたものはどう昇華されて、
どうなってATPというエネルギー物質に変わるのか?
遺伝子のスイッチのオンオフはリン酸基がついて活性化されるとか…
化学は、物質の構造、電子のやりとりといった高校の物理でやったような
話になりました。物理は、運動(電気)エネルギーや光の速さ、
でも当時、大学生だった私は、それを嬉々として勉強していたかというと、
実は、そうではありませんでした。
ちょっとヘビーな話になりますが、大学時代は学ぶ理由を失い、
毎日苦しみの中に生き、生きる理由が分からず、死んだら楽になるのかな〜
なんて思ったり、でも死ぬ元気すらありませんでした。
でもね、それは今思えば、ちゃんと大きな意図があったのだと、
今ならそう思います。カウンセリングサービスの平さんは、
それを見抜いていらっしゃいました。
「なぜあたなは、そうなるようにしたのですか?」